XXと呼ばれたくない

昔々、ある会社が従業員の階級を新しくしようと計画したことがあったらしい。

それまでは、主任などと呼んでいた上級従業員を「シニアスタッフ」の英語頭文字二文字で呼ぼうとしたみたい。

近代史、特に第二次世界大戦の頃の知識を持たない人たちはこの2文字の名称に違和感はなかったのだろう。

「アンネの日記」という名作があるが、これはユダヤ人の普通の少女が、ドイツの親衛隊に指揮されたゲシュタポに捕まるまでの日常を記録した日記である。人類にとってあのような虐殺という悲劇を繰り返さないために忘れられるべきでない話と思う。

もしも、会社の従業員をその2文字で呼ばせることを、外国の、特にアメリカ国のユダヤ人などに知られたらどうなるのだろうかと恐ろしくなった。

まあ、次回の説明会の時には、いつの間にか「SNST」とかなんかの別の名前に変わっていたらしいので、多少は歴史の知識がある人がいたのかもしれない。

くわばらくわばら